小型犬の骨折は前足(橈尺骨)が多く、ほとんどが抱っこの失敗などで落としてしまったり、着地の失敗だったりの外傷です。また、1歳未満での骨折が多いのも特徴的です。
子犬に多い前足骨折(橈尺骨骨折)
これは私に骨折の手術を教えてくれた獣医師が言っていたことですが、
「人間でも小中学生の時には骨折している人がチラホラいたはずだけど、大人になってから骨折している人を見かけることは少ないだろう。たぶん、ワンちゃんたちも、成長するにつれ危ない動作が分かるようになるんだよ」
と教えてくれました。
抱っこの時に暴れてしまうと危ないなど覚えていくのかもしれませんね。
小型犬に多い前足骨折(橈尺骨骨折)
中型犬、大型犬の骨折は少ないです。
私に骨折の手術を教えてくれた獣医師(アメリカで整形外科を学んできた獣医師なので)曰く、
「アメリカでは(大型犬が多いらしいので)骨折なんてほとんど起きない。あるとしたら、交通事故や家族からの虐待くらい」
だそうです。
小型犬の前足の骨折(橈尺骨骨折)はきれいに手術をしてあげるとほぼ元通りの歩き方に戻れます。
手術が失敗してしまったり手術をしないで骨が変なほうにくっついてしまったりすると、歩き方がおかしくなったり、足を挙上してしまうようになります。
手術のタイミングも大事で、やはり骨折面(折れた骨と骨の境)が新鮮なほど治りも良いですし、癒合不全(骨と骨が近くにあるのに、くっつかない)も起こりにくです。
時間が経つと癒合(くっつく)ための細胞も働きにくくなっていくので、早急に手術できる動物病院を探してあげてください。
犬の整形・軟部外科疾患に関するご依頼を受け付けております
獣医師は総合診療医が多いので、どの獣医師も得意分野、不得意分野があります。
いつもの先生が骨折手術ができない場合には、知っている骨折の手術ができる先生を紹介してもらうか、当院が近いようでしたら、小型犬の骨折から中大型犬の骨折まで対応できるよう器具(プレートやスクリューなど)を用意しておりますのでご相談ください(骨折部位によっては、特殊な器具が必要な場合があります)。
他院様からの整形・軟部外科疾患症例に関するご依頼の詳細は以下のページをご覧ください。
また、セカンドオピニオンも受け付けております。
犬の前足骨折(橈尺骨骨折)の症例 ~手術と回復の流れ~
小さいお子さんが抱っこから落としてしまい橈尺骨骨折をしてしまった症例です。
1. 骨折手術直後(ロッキングプレートとスクリューをして骨と固定しています)

きれいに骨折している面があっています。
2. 骨折手術2週間後

だいぶ骨がくっついてきました。
3. 骨折手術1ヶ月後

これで癒合はほとんど終了です
4. スクリューを抜いていきます

次は、このままではプレートによるストレスシールディング(骨が薄くなってくる骨粗鬆症のようなもの)が起きて、骨が脆くなっていってしまうので、プレートとスクリューを抜いていきます。
いきなり、全てを抜いてしまうと骨もびっくりして、再骨折してしまう可能性があるので、まずはスクリューを2本抜きます。
5. 残りのスクリューとプレートも抜きます

スクリューを抜いたところがレントゲンで黒く抜けているのがわかります。
これが白くなってきたら、残りのスクリューとプレートも抜きます
6. 終了

大丈夫そうなので、プレートとスクリューを抜きました。
これで骨折の手術は終了です。